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出会い。
連日のハードワークをこなし、
電車に疲れを投げ出してゆれに任せて座っている。
そんな、周りから見れば少し情けないくらいの格好の時だった。




「あら、たなか君?」




僕と彼女は帰りの電車のなかで再会を果たした。

神様の悪戯、なんて言葉は今となってはすっかり古い表現で、
使うのすら恥ずかしいのだけれど、雨が降り続いたおかげで、
神様が暇つぶしにめぐりあわせたのかもしれない。



今となっては、そう思う。





「わぁ、やっぱり。久しぶりだねぇ。」


彼女は大人になっていた。当たり前のことだけれども。


彼女とは、学生のころでアルバイト先で知りあった。

彼女は元気に店内を駆け回っていて、
少しニキビを気にするような、そんな年代だった。



月日はお互いに流れ、僕のまわりの環境も、少しずつ変わった。


あれから、5年もたったんだ。


揺れる電車の中、僕と彼女はお互いの近況を
ポツリ、ポツリと話し合った。

しかし、そんな空気は最初だけの話。

ひと駅過ぎると、昔話から堰を切ったように話題があふれだし、
とたんに僕と彼女はあの頃にもどった。


そうして、周囲の目も気にせず、沢山話した。ほんとに沢山。








あれ、僕の駅って、こんなに近かったっけ?


なぜか帰りの駅が近いことに落胆した。
それは、この時間が長く続いて欲しいことの裏返し。

「じゃあ、おやすみ・・・」




不意に、日常のサイクルから脱線しようという感情が芽生えた。


一度は降りた電車に、再び飛び乗る。

駅員が、慌ててドアを開けた。



そうして、元の席に戻る。

訳がわからないという顔をする彼女。

「せっかくだから、飲もうよ。」


僕は、普段とらないような行動にでた自分にびっくりしていた。


彼女は応えてくれた。

「あ、いいね。それ。」



次の駅が彼女が降りる駅。


少し外れの駅の居酒屋さんの数なんてたかが知れてるし、
居酒屋さんといっても、カウンターくらいしかない規模だから、
そこが満員ってこともやっぱりある。


それが今日になるとは思ってなかったけど。


「ならさ、コンビニでビール買って、公園で飲もうか。」

やっぱ帰ろっか。といいそうなムードを振り払うように提案した。


我ながら名案だと思った。



「えー。ほんとに?」

笑いながらも、彼女は少し楽しんでいた。




そうして近くのコンビニで、僕と彼女は
はしゃぎながらつまみを選び、ビールを買った。



公園の真ん中のベンチで、つまみとビールを置いて乾杯した。



グレーのアクリルガッシュを荒く塗りたくったような闇。



雨が、しとしと降っている。



暗闇の砂場。

小さく灯った電灯。

ときおり聞こえる車の運転音。



なんだか夢の世界のような、ふわふわとした世界だった。お酒の力もかりて、僕はすっかり溶けてしまった。何を話しても楽しかった。すっかり、口調はあの当時のふたりに戻った。彼女は少し頬が赤みがかってきた。月日はたっても、やっぱり同じ彼女だった。そう思うと僕は少し安心した。なぜなら、彼女はすっかりきれいになってしまって、僕はすこしたじろいでいたからだった。


雨はまだ降っていた。僕と彼女は同じベンチに座っていたのだけれど、いつの間にか、足が触れ合っていた。僕はさっきから知っていた。けれど、そのままにしておいた。人の体温を感じることが、これほど心地よかったことに、改めて実感したからだ。やはり雨は、しとしと降り続いていた。いつしか、僕と彼女は黙っていた。そして、この不安定で、心地よい世界のなかに身を沈めた。僕の肩に、彼女の頭があった。小さい頭は、僕の体を壁のようにしてあずけた。それは、そんなに悪いことじゃなかった。

「明日も、雨でさ。」

僕は話しはじめた。

「そうして、また偶然あえたらいいね。」




彼女は黙っていた。





雨の音。彼女の頭の重さ。彼女の体温。







「今日は楽しかった。」





僕の肩に頭を寄せながら、彼女はとても冷静な生き物だった。


「今日だから、そう思うんだと思う。お互いに、会社のことで疲れてた。そうして久しぶりに、心ゆるせる仲間とであえた。それだけで嬉しくなって、今日は何だか甘えちゃった。」


「・・・でも、私には彼がいるし、これ以上はだめ。」


そう言うと、不意に僕の肩から頭をはずし、屋根から外れて
霧のような雨を受けていた。雨は柔らかな繊毛のように
彼女をやさしく包み、そうしてゆっくりと服の色を濃く色づかせていた。



彼女はとてもきれいだった。



けれども、僕との関係は、近くて遠い仲間。






疲れていた。頭は鮮明に動くのに、体はとても疲れていた。






家に帰った。帰るとビールを飲んだ。どっと疲れが襲う。そうなると、毎日ブログを書いていたことなんて、どうでも良くなった。けだるい空気をベッドに預けながら、やってきた眠りに身を任せ、ただ眠ろうとしていた。












えーと。



線を引いた箇所から下が本当の話で、線から上の話は全部ハクションです。いやフィクションです。それではおやすみなさい。

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【2006/07/25 00:49 】 | ふと思うコト | コメント(7) | トラックバック(0) | page top↑
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コメント

おぉっと、ついにたなかさん、巡り会えたのかなぁと思いきや、ハクションいや、フィクションだったのね^^;ほんとの話でもがんばってるたなかさんにはOKだと思うよ!
【2006/07/25 01:21】| URL | シュガー #LtpGst5k[ 編集] |

ハクションなのですか~
短編小説を読んだような気分ですよ。
ステキな恋愛小説みたいですね。
【2006/07/25 11:37】| URL | sainei #-[ 編集] |

ちょっと切ない気持ちになちゃった。
たなかさん・・ちょっと素敵♡
【2006/07/25 21:03】| URL | megumi #gE./HRlE[ 編集] |

シュガーさん

最近寝不足だから、ハクションはよくやってるよ。


sainei さん

願望小説、と呼んでください。


megumi さん

ちょっとだけかよーーー。

【2006/07/25 22:04】| URL | たなか #-[ 編集] |

こういうの書いちゃうんだぁ
なーんかたまんない(きゅん・・

ホントずるいですよん・・(笑)





【2006/07/27 13:19】| URL | 夜花 #-[ 編集] |

今度 何か書く時は フィクションにしよう
なんて 言わないよ 絶対~♪
【2006/07/29 03:59】| URL | 由子 #kMXL5eVM[ 編集] |

夜花さん

昔からズルイと言われます。


由子さん

えっと、つまりはどっちだろう?

【2006/08/15 22:57】| URL | たなか #-[ 編集] |
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