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情熱。
どうしても手放せないものが、子供のころには存在した。

子供というのは何かと影響されやすく、そうして刺激に対してひどく従順な生き物である。生きてきた轍が少ない分だけ、その好奇心は散漫に飛び乱れ、次から次へと夢中になり、そして一途にのめりこむ。それに対して大人というのはどうだ。大した経験をくぐりぬけてもいないのに、物事のすべて知ったような仮面をかぶり、そうして自身が通ってきた道ばかりを選ぶようになる。ためしにほら、帰り道に別のルートから帰ってごらん。できないでしょう。しかも、ひとりきりだと、そんな奇抜な行動にひどくおびえるようになり、いつもの道をただ、脳も動かさずに歩くのだ。ああつまんない。僕もいつしかそんな大人になってしまい、ただ効率よい人生を歩む、つまんない大人へと成り下がった。悲しいかな現実だ。そしてそれを実感させる出来事にであってしまった。



おなじみのスーパーにいったんだ。すると、ふたりの少年がアイスクリーム売り場に走りこんできたんだ。後ろからお父さんが歩いてきたんだ。ふたりは目をキラキラさせながら、アイスクリームを選んでたんだ。お父さんも上機嫌で「好きなの選びなさい」って言ったんだ。だからふたりは好きなのを選んだんだ。弟がソフトクリーム。兄はファミリーサイズのガリガリ君。お父さんはファミリーサイズのガリガリ君を選んだ兄に少なからず驚愕した。それは、一本79円だから買ってやるっていったのに、それ以上のパフォーマンスを見せつけたからに他ならない。父はいったんだ。「そんなん買うお金あれへんで!」ああ、僕なら言えないかもしれない。しかし、一家の統率を取るために、仕方なく言った発言なのかもしれない。ここでガリガリ君のファミリーサイズを許してしまうと、業務用スーパーなんか行った日にゃあ、屋台用のアイスクリームの塊でも買いかねない。そして、曖昧な返答とともに、業務用アイスも購入してしまう。しかし業務用サイズだ。まず冷凍庫に入らない。すると兄は、今度はヨドバシカメラで専用の冷凍庫に指をさす。あれを買えといっている。そうだ。アイスクリームは業務用サイズ。俺の大好きなウイスキーのハイボールを作る氷も、今の冷蔵庫では、アイスに圧迫されてしまってろくに作れない。仕方ない、買うか。しかし、家計は支えきれずに倒れてしまって、結局ガリガリなのはわが家計ではないか!と嘆く日も近い。



父は、頑なな意思とともに兄のガリガリ君の購入を拒んだ。



しかし、兄はガリガリ君に固執した。腕でガリガリ君を抱えると、二度と離れないようにがしりと組んで「ぎやだー(いやだー)」と体全体をゆすって抵抗した。父は知らん振りを決めこんで、氷の心で答えた。「返してきなさい」そして、泣き叫ぶ兄を放っておいて、そのままレジに向かおうとした。兄はガリガリ君を胸にかかえ、泣き顔のまま父についていった。お父さんは振り返って驚いた。兄がいる。泣いている。ガリガリ君は腕の中だ。まだ、ガリガリ君を放さないつもりなのか。やめてくれ。父「お前、お金ないやろ?持ってるけどどうやって払うねん」兄「ぎーやーだー(いやだー)」スーパーに、僕の憧れである、となりのトトロのメイちゃんがいた。性別は男のようだが、泣きながら抵抗するところなんかそっくり。そして、自らの意思を譲ろうとしない頑固さは、見るものを圧倒させるパワーが在った。スーパーの冷凍コーナーは、親子の熱いせめぎあいで火花が飛び交っていた。兄がガリガリ君を熱望してからすでに3分が経過していた。それを見た僕は、若かりし頃持っていた何かを失ったことに哀しさを感じ、そうして、ひとつの事を考えていた。









ガリガリ君、溶けてるよ。



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【2006/08/28 23:59 】 | ふと思うコト | コメント(2) | トラックバック(0) | page top↑
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コメント

はい、アタシも今手に持ったソフトクリーム溶けかけてます。。。。

【2006/08/29 11:21】| URL | sainei #-[ 編集] |

は、はやく食べてしまって!
【2006/10/07 07:18】| URL | たなか #-[ 編集] |
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